数の悪魔[エンツェンスベルガー] 感想とメモ
数の悪魔(エンツェンスベルガー著)を読了したので、感想とメモをここに記す。
物語は、主人公のロバートが夢にうんざりしているところから始まる。
夢では、ろくな経験ができなくて、夢の中でさえ欲しいものが手に入らない。さらには、もはや慣れてしまっているのか怖い夢を見ても夢だと認識しているみたいだ。
夢日記をつけると夢のことを記憶できたりするのだが、ロバートは同じような夢をみて記憶してしまったのかなと感じた。どんだけ怖い夢をみているんだ!?
ロバートは、算数が嫌いだ。新米先生のボッケルが出題するパンの問題に飽き飽きとしている。どうやらボッケル先生は、算数の問題を生徒が解いている間に、パンを盗み食いしているらしい。
ロバートによる目撃談
「ぼくは、間違いなく見ました。先生がパンを食べているところ」
「たしか・・・あれはクルミパンだった」*脚色
パンの問題を出し、カバンからパンを出す。ボッケルのルーティーンがあるみたいだ。
いつも通りに嫌な夢をみるロバートは、数の悪魔と出会う。運命の出会い!
「わたしが、数の悪魔だ。小僧、数学を教えてやろう!」
こうしてロバートは数の悪魔と12夜を通して、数学を教えてもらうたびに段々と友情?師弟愛?を育む。眠るのも楽しくなるロバート。
最後には、ロバートは数の悪魔たちの仲間入りを果たし、勲章を手に入れる。
私がとくに参考になったのは、フィボナッチ数の所である。
1.1.2.3.5.8.13.21・・・のこの数列が自然界の動物、植物に当てはまる所である。
私は、お絵描きをするので特に、木や植物を描くときは、フィボナッチ数のことを知っていれば、自然に馴染む絵が、描ける気がする。
ほかにもパスカルの三角形、累乗、素数などなど数学ことを学べる。
これだけいろいろと出てくると難しくも感じると思う。遅読したほうが読みやすい。
さらに数学に少しでも興味を持ってもらえるように所々にベルナーさんのかわいい挿絵もあって、読みやすくなっているよう工夫されていると感じた。
最後のページに本文内に出てくる用語などの索引がついているのも嬉しい。
- 作者: ハンス・マグヌスエンツェンスベルガー,丘沢静也
- 出版社/メーカー: 晶文社
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